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13話



相変わらず律儀に高校生という身分を全うしている僕は、

特段反抗期に入るわけでもなく、今日も普通に学校へ通う。

退屈な授業を、それでもきちんとこなし、

億劫な上り坂を登って家に帰る。

段々と長期休暇に入る前のサイクルを思い出してきた。

だが冬休みに入る前の生活と今の生活では決定的に違うところがある。

もちろんそれは彼女の存在。

家に帰ったときの「おかえり」の言葉が

これほど心温まる言葉だったとは知らなかった。

生活のリズムや、食生活が規則正しくなったのも

彼女が家にいる影響が大きいだろう。

家での会話も増えた。

同年代(?)の彼女は家族のようでありながらも姉妹とはまた違う、

彼女との間の特有で不思議な距離感で話ができる。

出会ってから今までの時間で、

彼女はいつの間にか僕の中で大きな存在になっていたようだ。

そんな彼女が、まさかあんなことになるなんて・・・

みたいな展開は今日もない。


帰宅して、とりあえずテレビをつける僕。

三年生にもなればもう学校はやることもないもので、

自転車でも少し時間のかかる復路の分を合わせても、

まだおやつの時間にもなっていないくらいだ。

さて、何を見ようかな・・・。

そういえば、この前彼女と一緒に読んだマンガが原作のア二メが

DVDにしてとっておいたのがあるはずだからそれでも見ようかな。

録画して作成したDVDを探し始める。

本当は製品版のDVDを買いたいところなのだが、

実際問題、学生にはそんなに金がない。

日々のマンガやゲームで手一杯なのだ。

さて、DVD、DVD、と。

失せ物に定評のある僕である。

探してもなかなか出てこない。

一度テレビを消して自分の部屋へ探しに行く。

と、階段を上ったところで彼女に遭遇。

「今からこの前の大宰府のやつのアニメ見るんだがお前もどうだ?」

「ホントですか?見たいですっ!☆」

仲間が一人加わった!

「よし、じゃあお前は下の棚からDVD探しておいてくれ。

 僕は自分の部屋見てみるから。」

「え?見つかってないんですか?」

「ああ。」

そんなやり取りで、少し渋い顔になった彼女だったが、

とりあえず文句を言わずに探してくれるようだ。

ほどなくして、「ありましたー☆」と元気な声が聞こえてきた。

どうやら僕には失せ物の才はあっても探し物の才はないようだ。

とにかく、見つかったので良しとしよう。

早速DVDプレーヤーの中に円盤を入れる。

「そうだ、お菓子でも食べないか?」

「あ、いいですね〜☆」

ふと思いついた提案に彼女も乗ってきたので、

台所を物色してお菓子を探す。

ポテチが一袋と、昨日買ったポッキーが一箱。

アニメのつまみとしては上出来かな。

ついでに紅茶を二人分淹れてリビングのソファーへ。

準備ができたら早速再生ボタンを押す。

かわいいナレーションからアニメが始まった。


夜飯を挟んで全13話を見たときにはすっかりいい時間になっていた。

見ている間に用意したお菓子は全部彼女が食べてしまった。

ポテチに関しては僕もちょっとつまんだけれど、

ポッキーに関しては本当に全部。

「もうないんですかぁ〜?☆」

とか言ってたから多分相当気に入ったんだろう。

あんまり食べるもんだから代わりに飯が食えなくなっていたけれどな。

しかしまあ、お腹一杯で苦しそうにしながらも、

アニメはちゃんと見る彼女の姿勢は評価しておいてあげよう。

あんなに気に入ったんなら今度から買い物の余り分は

ポッキーを優先的に買ってきてやろうかな。





20XX/1/13 ポッキーってちょっと冷えてるくらいが美味いよな。


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