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11話
冬です。
寒いです。
冬です。
凍てつく冷気に縛り付けられた僕の肉体。
痛みを伴う風に蝕まれていく五感。
吸い込んだ外気は内臓を侵す。
まあなんだ、ようは寒い。
氷河期のように寒い。
とにかく寒い。
超寒い。
出来ることなら暖房の効いた我が家で布団に包まり、
妖怪スマキンごっこでもしていたいところなのだが、
僕は今、自転車に乗っている。
目的地はもちろん学校。
冬休みは、終わった、のだ・・・。
結局昨日は徹夜した。
長期休暇の間、分割すれば一日の量はそれほどでもなかっただろう。
だが僕はそんな気の利いたことはしない。
いつでもマンガやアニメのように生きたいと思っているからな。
だから、冬休み最終日、徹夜した。
終わって布団に入ったのが朝の6時、寝入ったのが7時で、
学校に行くために起きたのが8時。
辛い。もう超つれ〜。
実質一時間しか寝てないからつれーわー。
はいはい。
翻って。
変なことを考えている間に学校についた。
登校中に食パンを咥えた女の子と衝突することもなく。
まあ僕には彼女がいるから全然そんなの必要のないイベントだけどな。
教室のドアを開けて、見慣れた顔が並んでいる風景が目に入る。
当然ここでもいきなりカツアゲされるようなイベントはない。
始業式が始まり、校長のありがた〜いお言葉を聞き流し、式が終わる。
例によって体育座りをするときにJKのパンツ丸見え的イベント(?)はない。
「あけまして〜」から始まる担任の言葉で通常通りに行われたホームルーム。
このときも美少女転校生が隣の席になるというイベントはない。
結局何もないまま放課後になり、ラブレターの入っていない下駄箱を開け、
パンを咥えた少女が潜まない道を帰る。
こんなもんか。
空から少女が降るものだから、
学校でも劇的なイベントがないものかと期待しなかったわけではない。
が、現実はこんなもんらしい。
帰りの時間になってもまだ肌寒い。
こんなところにずっといたらそのうち凍死体になりそうだったので、
寄り道もせずまっすぐ帰った。
ドアを開けた僕を、彼女が迎えてくれた。
「おかえりなさい☆」
「ただいま。」
たった一言のやりとりで真冬の世界が瞬く間に桜舞う春になったようだった。
とりあえず、僕にはこの子以外のフラグはいらないな。
そう思った。
20XX/1/11 それでもやっぱり寒い。
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