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10話
もう先の長くない春休みをどう過ごそうか。
彼女と二人仲良くソファーに腰掛け、録画した新しいアニメを見ながら考えていた。
親父のいなくなった今、朝も夜も気にせず彼女といちゃいちゃ・・・
もとい、べたべたできるというものだ。(あまり変わらない気もする)
慣習となりつつある朝食のあとのアニメチャックを終えて、僕は一旦自室に戻った。
最近は意識的に視界に入れないようにしつつあるカレンダーを見つめる。
学校は・・・いつからだったかな。
クリスマス前に学校から持って帰ってきたプリント類を漁る。
目的のものは探すというほどのこともなく見つかった。
え〜と・・・。11日から。
今日は・・・。
今度は携帯電話を開く。
20XX/01/10。
あれ?
携帯電話を閉じる。
ふぅ〜。
深呼吸。
携帯電話を開く。
20XX/01/10。
あれ?
20XX/01/10。
・・・・・・。
僕は現実を見たのだった。
マンガ、アニメ、ゲーム、ネット。
さて、今日は何をしようかな。
それともせっかく家に金髪美少女がいるんだから彼女と戯れようか。
男子高校生の淡く甘い一冬の思い出作りを・・・
そんな幻想がぶち殺された。
どうやら時間とは無情かつ非情で、刻々と過ぎるものらしい。
日付を見れば、今日が最後の春休み。
学校嫌いな一般生徒にしてみればただただ憂鬱なだけである。
頭を抱えて「うわぁ〜」と言ってたらいつの間にか間にお昼になってしまった。
そうだ。お昼を食べよう。
今日は母親と、彼女と、僕、三人で仲良く昼食をとった。
最近読んだラノベだかアニメだかのヒロインが
ピザを食べていたことを思い出し提案したところ
意外とあっさり許可されたので、本日の昼食は宅配ピザ。
いつかは本場のイタリアで食べたいな、などと思いを巡らせながら、
三角形を次々と口へ運ぶ。
とろけるチーズと、芳醇なトマトが実に美味しいピッツァだった。
ピッツァだった。(なんとなく言いたかったのでもう一度)
食べ終えた後は腹ごなしに彼女と散歩に。
近所の空き地で、先日の猫(オスなのかメスなのか気になるところだ)を
紹介してもらい、彼女と猫の会話(というのだろうか)を見て和み、
適度に胃が落ち着いたところで帰宅。
部屋に戻ると、今度はなぜだか無性に片付けがしたくなってきた。
実は僕、整理整頓好きなのだ。
整頓の鬼とまで呼ばれたことがある。いや、ない。
とにかく掃除、するか。
と、始めたはいいものの、
激レアのエンシェントアイテムやら、
人類を滅亡に追いやりそうな細菌兵器やら、
なんだかいろいろ出てきて、時間がかかってしまった。
気づけば外はもう夜の帳が下りていた。
心なしか綺麗になった机に向かう。
さあ、現実を、見よう、僕。
今こそ解き放て、その真の力を。
本気になった僕に敵はないっ!!
なんとなくかっこいい台詞を並べてみても、やはりだめだ。
根本的にやる気がでない。やりたくない。
だが、実際問題そうも言ってられるまい。
実は朝から、いや昨日から、それどころか
この休みが始まったときからずっと頭にはあったんだけど、
告白できずに遠巻きから見つめる女子中学生のように、
ただやるタイミングを失っていたというだけなんだ。
まあだからといって現実が変わるわけでもない。
結局は徹夜で泣く泣くやるしかないということなんだね、ワトソン君。
僕はこの春休み、完全に積みゲー状態にしていた宿題に手を着け始めるのだった。
20XX/01/10 もうやだ、泣きたい・・・。
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