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5話
「にーにー、おはようございますなのですよ、にぱ〜☆」
朝一番に耳にしたのは僕を呼ぶ妹―――
ではなく、いつもの金髪美少女の声だった。
彼女はリビングでアニメを観ていた。
どうせならいつもこんな感じで僕を甲斐甲斐しく起こしに来てくれないだろうか。
そんなことを考えつつも、僕はテレビの前のソファーにちょこんと腰掛ける彼女に声をかける。
「おはよう。・・・と言いたいところだが、にーにーとにぱ〜☆は違うキャラだぞ。」
それぐらい分かってる、とでも言い返して来るかと思ったが、
「ダメかな、かな?」
まさかの ネタ重ねで飛んできた。
「かぁいいから許す。」
あ・・・。
あまりのかわいさにかぁいいとか言っちゃった。
僕の突然の言葉に、彼女も頬を赤らめ、
というより真っ赤にしながらおろおろしていた。
あたかもどこぞの鉈女のように。
か・・・かわいい。
これは口には出ていない(はずだ)。
かわいい彼女を眺めているのもいいが、僕は戯れたいのだ。
とりあえず僕は彼女の隣に座る。
テレビに映っていたのは青い蝶の羽ばたくアニメのエンディングだった。
「チャンネル変えてもいいか?」
キリがよさそうだったので聞いてみた。
「いいのですよ、にぱ〜☆」
どうやらこの喋り方が気に入ってしまったようだ。
彼女からリモコンを受け取り、録画一覧を開く。
昨日から、今日こそは新シーズンに入ったアニメを見ようと思っていたのだ。
しかし、開かれた一覧を見て、僕は驚いた。
NEWのマークのアニメがないのだ。
一瞬録画しそこなったのかとも思ったが、そうではないようだ。
ちゃんと録れている。
だが、そこにあるはずのNEWのマークがない。
状況を把握しかねる僕に、彼女は言った。
「その上から二番目のやつ、面白かったのですよ。にぱ〜☆」
犯人は彼女だった。
「お前ぇぇえええ!!!僕がどれだけこの新アニメを見るのを楽しみにしていたと思ってるんだぁ!!!」
「え!?ええぇ!!??消してないしちゃんと見れるじゃないですか!」
突然ものすごい勢いで起こられて彼女もかなり動転したのか、喋り方が素に戻ってる。
「僕が言いたいのはそうじゃないっ!!僕が、僕のために、今日というこの日を楽しみに待っていたのに、
なんで僕より先に見てるんだよっ!!これじゃつまみ食いされたケーキみたいじゃないかっ!!」
「つまみ食いされたケーキは・・・確かに嫌ですね・・・。」
変なところだけ同意された。
「とにかく謝れ!僕に謝れ!そして二番目のアニメはどういう感じに面白かったか教えてくれ!」
実は僕も心の底から怒っているわけではない。まぁ、ある種のコミュニケーションだ。
「ご、ごご、ごめんなさい!二番目のやつは女の子がかわいかったです><」
彼女も大分僕とのコミュニケーションに慣れてきたようだ。
日々の特訓のおかげだな。
「そうかぁぁあ。じゃあ今日はその二番目のやつから見るぞぉぉおお!!!うぉぉおおお!!!!!」
もうテンションが行方不明。
彼女は二週目だというのに付き合ってくれた。
そういえば朝一番のあの挨拶があったってことは、
今朝だけで新しいのだけじゃなく、僕が保存しておいた古いのまで見たってことか?
もしかしたらコイツ、相当素質があるんじゃないか?
まぁそんなことは置いておいて。
一人で集中して見るアニメもいいが、たまにはこうやって誰か他の人と見るアニメも悪くない。
むしろ隣に座っているのがかわいい少女だというならむしろ嬉しいくらいだ。
いつもはアニメを見ながら、こんなことあるはずねぇ、と思っていた僕だが、
意外とあるもんなんだなぁ。いや〜、神様に感謝だな、こりゃ。
結局なんだかんだでそのまま一日中、新しいのから古いのまで、片っ端から見まくって、
アニメ三昧な一日になってしまった。
「悪いな、一日中つき合わせちまって。」
「いえいえ、私もとっても楽しかったです。」
そう言ってもらえるならなによりで。
「俺も楽しかった。今度、俺のとっておきのマンガたちを見せてやるよ。
アニメも面白いけど、マンガもいいぞ〜!」
「本当ですかっ!?見たいです、ぜひ!ぜひ見せてください!」
だんだんと僕色に染まっていく彼女だった。
2011/1/5 アニメのような美少女とアニメをみながら。
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